要介護認定とは:申請から結果通知までの標準的な流れ
要介護認定は、介護保険サービスを利用するために要支援1~要介護5の区分を認定する制度です。大まかな手続きの流れは次のとおりです。
- 申請:介護が必要になりそう・なった65歳以上(第1号被保険者)や特定疾病の40~64歳(第2号被保険者)は、市区町村の窓口に要介護認定申請を行います。申請には介護保険被保険者証など必要書類を提出し、代理申請も可能です。
- 認定調査(訪問調査):市町村から委託された認定調査員が自宅や入院先を訪問し、本人や家族に心身の状態について**聞き取り調査(調査項目74項目)**を行います。日常生活動作や認知機能など細かな点をチェックし、調査票に記録します。
- 主治医意見書:市区町村が本人の主治医に意見書の作成を依頼します。主治医が病状や生活機能について医学的所見を記載し、市区町村へ提出します。
- 一次判定(コンピュータ判定):認定調査の結果をコンピュータに入力し、全国共通の判定ソフトで基礎点数を算出します。これが一次判定結果(機械判定の要介護度)です。
- 二次判定(審査会での判定):一次判定結果と主治医意見書等をもとに、市区町村の介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門家による委員会)が総合的に審査します。必要に応じて一次判定より重くまたは軽く修正し、最終的な要介護度を判定します。
- 結果通知:審査会の二次判定結果は原則として申請から30日以内に本人へ郵送で通知されます。要支援1・2または要介護1~5の認定を受けた場合、介護保険被保険者証にその区分が記載され交付されます。**「自立(非該当)」と判定された場合は要介護状態ではないとみなされ、原則として介護保険サービスは利用できません(この場合、市区町村の介護予防・生活支援サービス(総合事業)**の対象になることがあります)。
標準処理期間は30日ですが、調査日程や主治医意見書の提出が遅れる場合などは審査が延長されることもあります。市区町村から延長理由と見込み時期が通知され、実際には2ヶ月近くかかる例も地域によっては見られます。なお認定結果の効力は申請日に遡って発生するため、結果待ちの期間もサービス給付は遡及して受けられます。認定結果が出たら、希望者は地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してケアプラン作成を行い、サービス利用開始となります。
ちなみに要介護認定には有効期間が定められており、新規認定は原則6ヶ月、有効期間満了前に行う更新認定は原則12ヶ月です。状態が安定しているなど自治体が必要と認める場合は**最長48ヶ月(4年)**の有効期間が設定されるケースもあります。サービス利用を継続する場合は有効期間内に更新申請をする必要があります。
自治体ごとに異なる運用や判定傾向
要介護認定の基本的な仕組みは全国共通ですが、自治体(保険者)ごとに運用や傾向に違いが見られることが指摘されています。例えば、認定調査から審査結果が出るまでの所要日数は自治体の体制によって差があり、申請件数の多い都市部では調査員の手配や審査会開催に時間を要しやすい傾向があります。一方、過疎地では申請件数が少なく迅速に終える反面、主治医意見書を依頼する医師が限られるなどの課題もあります。法定では30日以内ですが、実際には地域差がある処理期間にも注意が必要です。
また認定率(要介護・要支援認定を受けている高齢者の割合)にも自治体間で差があります。厚労省のデータによれば、全国平均では65歳以上の約18.9%が何らかの要支援・要介護認定を受けています。しかし都道府県別にみると、この認定率には明確な地域差が存在します。例えば、大和総研の分析(2018年時点)では大阪府が22.3%と最も高く、山梨県は14.2%と最も低い水準で、その差は約8ポイントにも及びます。高齢化率や健康寿命、自治体の介護予防施策の充実度などが要因と考えられますが、人口構成で補正してもこれだけの差が残ることが指摘されています。
さらに細かく、市区町村レベルで見ると認定の出やすさに顕著な開きが報告されています。会計検査院の調査(2004年度)では、第1号被保険者5万人以上の大規模市区町村において認定率が最も高い徳島市は22.9%、最低の埼玉県川口市は12.1%と約1.8倍の差がありました。中規模自治体(被保険者1~5万人)では青森県弘前市が23.7%に対し、埼玉県越谷市は8.6%と実に2.7倍もの開きが確認されています。埼玉県のように比較的若い世代が多い都市部では認定率が低めに出る傾向があり、一方で高齢者が多い地方都市や農村部では認定率が高めになる傾向があります。ただしこの差には、地域の認定審査のスタンスも影響している可能性があります。例えば「軽度(要支援~要介護2)の認定」を抑制しようとする自治体施策や、逆に必要な人は積極的に認定して早期支援につなげる姿勢など、運用上の違いが専門家から指摘されています。実際、地域差の縮減は介護保険制度の課題の一つとされており、厚労省や自治体でも認定基準の統一的運用や介護予防の推進が検討されています。
このように審査期間・認定率・申請件数は自治体ごとにばらつきがあります。お住まいの地域の傾向を把握し、周辺地域の家族と情報交換することも大切です。自治体が公表している介護保険事業状況報告を確認すれば、自分の市町村の要介護認定者数や認定率(全国平均との比較)を見ることができます。
要介護認定率と全国の統計データ
全国的な要介護認定の現状をデータで見てみます。厚生労働省の統計によれば、令和4年5月末時点で要支援・要介護認定を受けている高齢者(65歳以上)は約691.4万人にのぼります。これは第1号被保険者(65歳以上の加入者)3,590万人の18.9%に相当し、概ね5人に1人の高齢者が公的介護サービスの認定対象となっている計算です。男女別では女性472万人・男性219.5万人と女性が約2倍多く、女性高齢者の方が要介護状態となる割合が高い傾向が見られます
(女性の方が平均寿命が長く、高齢単身世帯で介護が必要になるケースが多いため)。
認定者数は制度開始(2000年)以来、一貫して増加しています。制度導入初年度(2000年度末)には全国で約256万人だった要介護(要支援)認定者は、20年後の2020年度末には約658万人と2.6倍に増えています。高齢人口の増加に伴って認定者も右肩上がりで増えており、特に後期高齢者(75歳以上)の増加が顕著です。認定率で見ると、年齢が高くなるほど要介護状態になる割合が急増します。例えば80歳以上では認定率が30%以上に達し、90歳以上では約7割が要介護認定を受けているとのデータもあります。
地域別の傾向としては、先述のように都道府県間・市町村間で認定率に差があります。一般に都市部より地方圏で認定率が高めです。背景には高齢者割合の違いだけでなく、「地方は高齢者のみ世帯が多くサービス利用ニーズが高い」「都市部は同居家族など非公的な支援が得られるケースが比較的多い」といった要因も考えられています。また自治体ごとに軽度者への認定の慎重さが異なることも地域格差の一因と分析されています。例えば要支援~要介護2までの軽度認定率の地域差は大きい一方、要介護3以上の重度認定率の地域差は比較的小さいという報告もあります。これは自治体が介護予防に力を入れている場合、できるだけ自立支援で軽度の人を支える方向にあることを示唆します。
なお、地域差に関わらず全国的な傾向として、高齢化の進展により新規申請件数も年々増えています。平成26年度の新規申請は約186.7万件だったものが、近年は年間200万件を超えるペースと推計されています。認定者数全体も年々増えており、令和5年度には700万人台に達すると見込まれています。要介護認定率の推移を見ると、高齢化率の上昇とともに全国平均の認定率も緩やかに上昇してきました。ただし近年は要介護状態になる人を減らす介護予防の効果もあって、認定率の上昇カーブは鈍化しているとも言われます。
申請・訪問調査時に起きやすいトラブル・失敗談
要介護認定の申請から結果が出るまでの過程では、家族や利用者が戸惑ったり失敗しがちなポイントもあります。現場の声や事例から、起こりやすいトラブルと対策を見てみましょう。
- 調査時の受け答えに関する失敗:認定調査の訪問面談では、質問に対する答え方一つで判定に影響が出ることがあります。ありがちなのが、本人が遠慮して状態を控えめに話してしまうケースです。「まだ自分は大丈夫」と頑張ってしまい、普段はできない家事も「できる」と答えてしまうと、実際より軽い要介護度と判定される恐れがあります。一方で必要以上に大げさに不調を強調しすぎるのも適切ではありません。調査員の質問には事実をありのまま正直に答えることが大切です。控えめすぎても誇張しすぎても正確な認定結果に結びつかず、再調査や認定のやり直しになる可能性もあります。実際、「痛みを我慢している様子を見せずにいたら要介護度が想定より低く出てしまった」という失敗談や、「できないことまで『できる』と言ってしまい後でサービスが受けられず困った」等の声が聞かれます。見栄を張らず、恥ずかしがらず、日常の困りごとを正直に伝えることが肝心です。
- 家族の関与不足による聞き漏らし:調査当日は、可能であれば家族も立ち会うことが望ましいです。高齢の親御さんの場合、本人が状況をうまく説明できなかったり、認知症の影響で質問に的確に答えられないこともあります。家族が同席して補足説明をしたり、日頃の様子をメモにまとめて伝えることで、調査員に生活実態を正しく理解してもらえます。家族が不在で本人だけで対応した結果、「普段どれだけ介助が必要か十分伝わらなかった」「調査員に聞かれていないことを後から思い出した」といった失敗も起こりがちです。日常の観察記録(食事や排泄の状況、転倒歴など)を準備しておくとスムーズです。逆に家族が口を出しすぎて本人の発言を遮ってしまうと、調査員が困惑する場合もあるためサポート役に徹することもポイントです。
- 認定調査員とのトラブル:まれにですが、調査員とのコミュニケーションがうまくいかずトラブルに発展するケースも報告されています。国保連合会に寄せられた苦情では、「調査員の態度に不満(高齢者に対して高圧的だった等)」「十分に聞き取りをしてくれない」といった声も上位に挙がっています。例えば「質問項目を機械的に読み上げるだけでこちらの話に耳を傾けてくれなかった」など、調査員との相性が悪く不信感を抱いてしまうケースです。ただし多くの場合、調査員も限られた時間で客観的に状態把握をしようとしているため、必要な質問に集中するあまり雑談的な部分が少なく感じられることが誤解を生むようです。万一調査員に問題を感じた場合は、その場で感情的に対立せず、後日自治体の介護保険窓口や包括支援センターに相談してみるのも一つの方法です。
- 申請手続き上のミス:申請書類の不備や提出漏れも時に見られるトラブルです。例えば被保険者証の添付忘れ、署名押印の漏れなどがあると手続きが進みません。また主治医がいない場合に医師の意見書をもらえず手間取るケースもあります。申請時には担当者から案内がありますが、不明点はその場で確認し、提出後も市町村からの連絡に注意しておくとよいでしょう。認定結果の通知が遅いと感じたら、役所に問い合わせてみることもできます(延長の場合は通知が届きます)。
- 調査当日のハプニング:認知症の方の場合、調査員を他人と認識できず拒絶したり追い返そうとすることもあります。ある家族は「認知症の父が調査員を追い出してしまわないか心配で事前に相談した」というケースもありました。当日は地域包括支援センターの職員にも同席をお願いし、慎重に対応したそうです。このように、調査当日に予期せぬ行動や体調不良が起こる可能性もあります。事前に包括支援センターやケアマネジャーに状況を伝え、必要に応じて専門職に立ち会ってもらう、調査時間帯は本人の体調が良い時間を選ぶなどの配慮も有効です。
以上のようなポイントに注意し準備することで、認定調査で実力以上にも以下にも判定されるリスクを減らせます。「自然体で、しかし伝えるべきことは漏らさず」が合言葉です。困ったことや不安は事前に担当窓口に相談し、万全の態勢で調査日に臨みましょう。
更新時に要介護度が変わるケースと注意点
要介護認定は一度受けたら終わりではなく、一定期間ごとに更新(継続審査)があります。更新認定の際に要介護度が前回から変更になるケースも少なくありません。その傾向や注意点を解説します。
●要介護度が上がる・下がるケースの頻度:更新時には前回の認定から半年~1年程度が経過しています。その間に利用者の心身状態が変化すれば、要介護度が重くなる(上がる)ことも軽くなる(下がる)こともあります。実際のデータでは、更新申請を行ったケースの約半数で前回と要介護度が変わったという報告があります。特に初回認定から次回更新までの間は状態が安定していない場合も多く、見直しによって区分変更が起こりやすい傾向があります。一方、残り半数は前回と同じ要介護度で据え置きとなっています。つまり更新ごとに2人に1人程度は何らかの変化があるイメージです。
●要介護度が下がるケース:リハビリや介護サービスの効果で自立度が改善した場合、更新時に要介護度が軽減されることがあります。例えば要介護2だった人が要支援2になる、要支援から自立(非該当)になる、といったケースです。これは利用者本人の努力や支援の成果でもあり本来喜ばしいことですが、一方でサービス利用範囲が狭まる点に注意が必要です。たとえば要介護から要支援に下がると介護保健施設(老健等)の利用ができなくなるなど、一部のサービスは要介護認定でないと使えません。要支援相当になると地域包括支援センターの担当に切り替わり、利用できるサービスメニュー(訪問介護やデイサービスの回数など)も限られます。また非該当(自立)となった場合、公的介護保険サービスは原則使えなくなり不服に感じるケースもあります。その場合、市町村が実施する介護予防・生活支援サービス(総合事業)の対象者として緩和した支援策が受けられることがあるので、包括支援センターに相談してみましょう。要介護度が下がった結果、生活に支障が出る(サービス量が不足する)と感じる場合は、後述の不服申立てや区分変更申請(状態悪化時の再認定)も検討します。
●要介護度が上がるケース:高齢による心身機能の低下や病状の進行などで介護量が増えた場合、更新時に要介護度が上がることがあります。要支援から要介護への移行や、要介護3から5への重度化などです。サービス利用限度額が上がり、より手厚い支援が受けられるようになります。ただし注意したいのは、状態悪化が見られても必ずしも要介護度が上がるとは限らないことです。認定調査はあくまで一定基準で行われるため、「以前より歩行が遅くなった程度」では判定に反映されない場合もあります。また、主治医意見書や調査時の状況によっては一次判定より軽めに判定されるケースもあり得ます。家族としては「もっと重い介護度が妥当では?」と感じることもあるでしょう。実際に「明らかに歩行困難なのに要介護1と判定された」というケースでは、担当ケアマネージャーや主治医から市に問い合わせが行われた例もあります。判定に疑問がある場合、調査票の開示請求や担当者へのフィードバックを求めることも可能です(ただしプライバシーの関係で主治医等第三者への詳細情報提供は制限があります)。
●更新認定時の対策:更新は有効期間満了のおおむね60日前から申請可能です。要介護度が改善している場合でも、急にサービスが減ると生活に支障が出ることがあります。ケアマネージャー等と相談し、現行プランで不足がないか、更新後に等級が変わった場合どう対応するか事前に検討しておきましょう。また更新認定でも初回と同様に訪問調査がありますので、前述した調査対応のポイント(家族の同席、正確な情報提供)は引き続き重要です。特に長期間サービスを利用していると「以前よりできることが増えた部分」は見落としがちなので、改善点も含め現状をしっかり伝えます。一方で現行のサービスで賄えているから問題ないと油断せず、困り事があればきちんと伝達します。例えば「介護度は下がったが実は介護者の負担は重いまま」といった場合、認定結果に異議申立てすることも視野に入れましょう。
●不服申立てと区分変更:認定結果(新規・更新問わず)に納得がいかない場合、正式な異議申立て手続きが用意されています。市区町村の認定は行政処分なので、都道府県に設置された介護保険審査会に対し結果通知から60日以内に「審査請求(不服申立て)」を行うことができます。自分で手続きできない場合はケアマネが代行してくれることもあるので相談するとよいでしょう。申立てが認められれば認定区分が変更となる場合もあります。また、更新を待たずに利用者の状態が急変した場合には区分変更申請(随時の認定見直し)も可能です。例えば要介護3の人が急に状態悪化した際に更新時期を待たず要介護5相当へ上げてもらう申請をする、といった使い方です。いずれにせよ、介護度の変更はサービス量や自己負担額にも影響します。更新結果を受け取ったら、ケアマネジャーとともに新しい区分でのケアプラン調整を行い、不足があれば早めに対応策を検討しましょう。
家族の声:制度への不満と助かった点
要介護認定について、利用者本人や家族からは様々な意見や感想が寄せられています。制度への不満の声もあれば、感謝や安心感を述べる声もあります。その一部を紹介します。
●制度や認定結果への不満の声:国保連合会に集まった苦情事例によれば、「認定結果に対する不満」が最も多く報告されています。具体的には「状態や症状から見て、この要介護度には納得できない」という声です。たとえば家族や主治医の感覚ではもっと重度のはずなのに低く判定された、逆に元気になったのに要介護度が高いままで違和感がある、などです。また「認定調査員の対応への不満」も多く、「高齢の親に対する調査員の態度が冷たい」「十分に話を聞いてくれなかった」と感じたケースが挙げられています。さらに「制度や手続き自体への不満」として、「説明する職員によって言うことが違い戸惑った」「認定まで待つ間にサービスが使えず困った」といった意見もあります。一部には、要介護認定の区分が細かく分かれていて分かりにくいとか、更新手続きが煩雑だという声もあります。家族の中には「介護度が一つ違うだけで利用できるサービス範囲が大きく変わるのはおかしい」「もっと柔軟に支援してほしい」と制度の線引きに不満を述べる人もいます。認定結果への不満は多くの場合「思い込み」に起因すると分析されていますが、制度側もできるだけ丁寧に説明し、必要な人に必要なサービスが行き渡るよう改善が求められています。
実際の体験談として、前述のように**「歩けない状態なのに要介護1で納得いかない」と市に相談したケースや、「更新で非該当になりそうで不安だ。もしそうなったらどうすれば?」と相談窓口に問いかけた要支援2の利用者の声などが紹介されています。後者の場合、「非該当でも総合事業で支援を受けられる可能性がある」「不服申立ては市町村の担当課で60日以内にできる」といったアドバイスがなされ、少し安心されたようです。また、認定後のサービス利用に関して「要介護から要支援2に下がったのに、主治医が『あの状態で要支援2はおかしい』と言っている」とケアマネが困惑した事例では、最終的に主治医にも認定調査の内容を説明し理解を得て解決したという報告もあります。このように現場の声と制度の判断にギャップ**が生じることがあり、家族としてはもどかしさを感じる部分です。
●要介護認定があって助かった点:一方で、要介護認定制度に対する感謝や肯定的な意見も多く聞かれます。最大のメリットは、認定を受けることで公的介護サービスを利用できるようになることです。「認定されて本当に助かった。訪問介護やデイサービスを使えるようになり、介護者の負担が軽減した」「要介護認定が介護者や家族の強い味方になってくれた」といった声は少なくありません。認定により自宅でヘルパーに来てもらい入浴介助してもらえたり、福祉用具のレンタル(車いすや介護ベッド)が1割負担で利用できたりと、生活の質が向上したケースも多々あります。特に費用面では、介護保険サービスは自己負担1~3割で利用でき(残りは保険給付)、認定前に比べて経済的負担が格段に減ったとの意見があります。「介護ベッドを自費レンタルすると高額だが、要介護認定のおかげで安価に借りられた」「デイサービスに通わせられたおかげで家族も休息が取れるようになりありがたい」というように、介護保険制度の恩恵を実感している方は多いです。
また、「第三者の目で客観的に状態を判断してくれるのが良い」という意見もあります。家族だけではどの程度支援が必要か判断に迷うところ、要介護認定という客観基準があることで適切なサービス量が決まる点を評価する声です。「最初は要介護◯なんてレッテルを貼られるようで嫌だったが、いざ認定されてみると周囲にも状況を説明しやすくなり助かった」という家族もいました。要介護◯と認定されることで、介護の大変さが周囲に理解されやすくなる、副次的な効果もあります。さらに「ケアマネジャーさんが申請手続きからサービス調整まで親身にサポートしてくれて心強かった」と、申請プロセス自体への満足を語る方もいます。自治体職員や包括支援センターの丁寧な対応に感謝する声、「認定調査で色々相談に乗ってもらえた」といったエピソードも聞かれました。
総じて、要介護認定は大変な介護生活を支える公的仕組みとして評価する声がある一方、細かな判定区分や運用には改善を望む声がある状況です。不満点については行政も真摯に受け止め、調査員の研修強化や認定基準の明確化などに努めています。利用者・家族としては、本記事で述べたポイントを踏まえつつ制度を上手に活用し、必要に応じ意見を発信していくことが大切でしょう。要介護認定制度を理解し備えることで、いざというとき慌てずに適切な介護サービスにつなげることができます。公的支援と周囲の協力を得ながら、介護する人・される人双方にとってより良い生活を送れるよう願っています。
参考文献・情報源:
- 厚生労働省 介護保険事業状況報告(令和4年5月暫定版)mhlw.go.jp
- 船橋市公式サイト「要介護認定の申請から結果通知までの流れ」city.funabashi.lg.jpcity.funabashi.lg.jp
- ラップポンコラム「要介護認定の申請から結果通知まで」wrappon.com
- 会計検査院報告「介護保険の地域格差」(平成17年度)report.jbaudit.go.jp
- 大和総研調査「令和時代の介護、地域差…」(2019年)dir.co.jp
- France Bed 在宅介護コラム「介護認定調査とは?当日に心がけるべきこと」medical.francebed.co.jp
- ケアスル介護 アンケート「訪問調査で気をつけることは?」caresul-kaigo.jp
- 介護認定調査員の部屋ブログ「最新の要介護認定に関する苦情」(2020年)siawase.jp
- 同「1次判定と2次判定の変更割合」(2018年)siawase.jp
- リハプラン(Rehab.Cloud)「要介護認定の区分変更とは」rehab.cloud
- セコム暮らしのパートナー「要介護度に納得できない!その時どうすれば?」secom.co.jp (要介護認定の不服申立て解説)


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