在宅での介護は、家族にとってもご本人にとっても大変な負担です。近年は技術の進歩やアイデア商品の登場により、介護を “楽” にする便利グッズやスマホアプリが数多く開発されています。排泄ケアから見守り、安全な移乗(移動介助)、服薬管理、そして日常生活のサポートまで、幅広い用途のアイテムがあります。上手に活用すれば、介護する側・される側双方の負担軽減や生活の質向上に繋がります。本記事では高齢のご本人とご家族介護者の両方に役立つアイテムをカテゴリ別にわかりやすく紹介します。それぞれの用途や特徴、利用者の評判もあわせてチェックしてみましょう。
排泄の負担を軽減するグッズ・サービス
排泄介助は在宅介護でも特に気を遣う場面ですが、便利グッズの力で失敗や手間を減らすことができます。
- DFree(ディーフリー) – 尿意を事前にお知らせする排泄予測デバイスです。超音波センサーを下腹部に装着し、膀胱内の尿のたまり具合を常時モニタリングしてスマホに通知します。ご本人が尿意を感じにくい場合でも**「そろそろ出そう」**といったタイミングを教えてくれるため、トイレ誘導がスムーズになり失禁事故の減少が期待できます。実際に遠隔介護の現場では、「排尿の周期が把握でき、適切なタイミングでトイレに行けるようになったことで尿漏れの不安が減った」「トイレ誘導のタイミングが分かるようになり、転倒が0回になった」といった声も報告されています。介護する方・される方双方に安心感をもたらす先端機器として、高く評価されています。
- ポータブルトイレ(簡易トイレ) – 寝室や居間などトイレまで移動が難しい場所に設置できる簡易式の腰掛け便座です。介護保険の福祉用具貸与・購入補助の対象にもなっており、比較的入手しやすい代表的な在宅介護グッズです。最近の製品は脱臭剤や抗菌バケツを備え臭い対策も万全で、自宅でも衛生的に使えます。「消臭液を入れたら尿臭が全然気にならなくなった。香りも良く、とても良い消臭剤に出会えた」といった利用者レビューもあり、毎日使うご本人にも家族にも嬉しい工夫がされています。夜間のトイレ介助回数を減らし、介護者の睡眠不足解消にもつながる便利アイテムです。
(この他、寝たきりの方向けには自動排泄処理装置(特殊な尿器で尿や便を自動吸引する機器)も存在します。要介護度が高い場合には介護保険でレンタルでき、おむつ交換の負担軽減に役立ちます。)
見守り・安全確保のための便利グッズ・アプリ
離れていても高齢の家族を見守れるサービスや、事故を防ぐ安全グッズも充実しています。
- 見守りカメラ(ネットワークカメラ) – インターネットを通じて離れた場所からでもシニアの様子を映像で確認できるカメラです。動体検知センサー付きで人の動きを察知して通知したり、温度センサーで室温の異常を感知できるものもあります。広角レンズ搭載ならお部屋全体を見渡せるため安心です。多くはスマホと連携しており、家族がいつでもライブ映像をチェックしたり、マイク・スピーカー越しに声かけ(双方向通話)することも可能です。「パナソニックのスマ@ホーム」や「塚本無線のみてるちゃん」といった製品が代表例で、高齢者の見守り用途で人気があります。プライバシーに配慮しつつも緊急時にすぐ駆け付けられる安心感から、設置した家族からは「離れて暮らしていても表情が見られて安心」「留守中の転倒にもすぐ気付けた」と好評です。
- 徘徊感知センサー&GPS – 認知症の方が外出して迷子になるリスクに備えるデバイスです。玄関や門扉にセンサーを設置し、ご本人が外に出たときブザーや通知で知らせる仕組みに、GPS追跡機能を組み合わせた製品があります。例えば 「いつも(iTSUMO)3」 という機器では、身につけた子機と室内親機の距離が離れるとアラームが鳴り、同時にGPSで居場所をPCやスマホからすぐ確認できます。自治体によっては介護保険のレンタル対象にもなっており、費用補助を受けて導入できるケースが多いようです。実際にGPS見守りを導入したご家庭からは「徘徊時の捜索が速くなりヒヤリが減った」「常に位置が分かる安心感で心の余裕が生まれた」との声もあります。万一の迷子や徘徊に備え、家族の不安を大きく軽減してくれる心強いアイテムです。
移乗・移動をサポートする便利グッズ
ベッドから車いすへの移乗や体位変換など、介助が重労働になりがちな場面でも、専用グッズで負担を減らすことができます。
- 介護リフト(移乗用リフト) – 吊り具に座った高齢者を電動または手動で持ち上げ、ベッドから椅子・車いすへ安全に移動させるための機器です。専門的な機械に思えますが、自宅向けのコンパクトな据置型・床走行型も市販されており、介護保険レンタルの対象にもなっています。リフトを使えば、小柄な介助者でも重いご本人を抱え上げずに移乗可能で、腰痛のリスクも抑えられます。パラマウントベッド社やモリトー社の製品が有名で、「女性一人でも楽に介助できて助かる」「痛みや恐怖がないので本人も安心して身体を預けられる」と利用者からも評価されています。リフトは介助者の負担軽減だけでなく、ご本人の自立につながる動作をサポートする効果もあり、在宅介護の強い味方と言えるでしょう。
- スライディングシート&介助ベルト – 手軽に使える移乗補助具として、多くの介護現場で愛用されています。スライディングシートはツルツルした布状の用具で、ベッド上で体位をずらす際に下に敷くと摩擦が減り、少ない力で滑らせて位置を変えられる優れものです。モリトー社の「移座えもんシート」が有名で、筒状の二重構造布をキャタピラーのように回転させながら引くだけで簡単に体をスライドでき、「驚くほど軽い力で移動・移乗が容易になる」と評判です。一方、介助用ベルト(移乗ベルト)は介護者が腰に巻いて使うベルトで、立ち上がりや歩行を補助する際に利用します。ベルトを装着することで介助される人の体にしっかりとつかまることができ、支える面積が増える分、力が無駄なく伝わって安定するのが特徴です。実際に「今まで二人がかりだった立ち上がり介助が一人で楽にできるようになった」といった声もあり、入浴介助や車への移乗など幅広い場面で重宝されています。いずれも数千円程度から購入可能で、在宅でも取り入れやすい手軽な補助具です。
服薬管理をサポートするグッズ・アプリ
お薬の飲み忘れ防止や飲み間違い防止にも、便利なアイテムやアプリがあります。
- 服薬管理アプリ(お薬手帳アプリ) – スマートフォンを活用できる方やご家族におすすめなのが、薬の管理専用アプリです。例えば 「お薬ノート」 はシンプルな操作性で人気があり、決まった時間にアラーム通知して飲み忘れを防止できます。服用後に記録を付ければ「今朝飲んだか忘れた」という事態も防げて安心です。さらに薬が無くなるタイミングを自動計算しカレンダー表示でお知らせしてくれる機能もあり、家族複数人の薬をまとめて管理することも可能です。病院ごとに処方薬を分類して管理できるので、このアプリ1つで家族全員の服薬スケジュールを一括チェックできます。別の例では、日本調剤の 「お薬手帳プラス」 のように処方せん予約機能付きのアプリもあり、薬局での待ち時間短縮にも役立ちます。これらのアプリは血圧・体調メモ機能も備えていてご本人が活用するのはもちろん、家族アカウントを登録すれば離れて暮らす家族が服薬状況を共有・見守ることもできるため安心です。「通知が来るので親も飲み忘れが減った」「兄弟でアプリを見て親の薬管理を連携できて便利」といった声も聞かれ、デジタルならではの利点を活かした便利ツールと言えるでしょう。
- 見守り服薬支援ロボット「FUKU助(ふくすけ)」 – 薬の時間になると決められた分の薬を自動で排出してくれる卓上ロボットです。タイマー設定した時刻に音声で「お薬の時間です」とご本人に呼びかけ、内蔵トレーに一回分の薬を出してくれます。ご本人が薬を取り出すと内蔵センサーが感知し、その履歴が記録されるとともにスマホアプリやメールで家族に通知されます(飲み忘れ時もアラート)。加えて、室内の温度や動きを見守るセンサー機能や、熱中症予防の声かけ機能まで搭載されており、離れて暮らす親御さんの生活を総合的にサポートしてくれる心強い存在です。特に認知症の方や一人暮らしの高齢者には効果的で、「薬剤管理が劇的に楽になった」「介護者不在でも安心して服薬できる」といった評価があります。価格は高めですが介護現場のニーズから生まれた先進的な製品で、服薬介助の負担軽減に大いに役立っています。
日常生活を支えるその他の便利アイテム
介護が必要になっても、できるだけ普段と変わらない生活を送りたいもの。高齢者の**日常生活動作(ADL)**を支援する工夫グッズも多数あります。
- 身の回り動作を助ける小物類 – 例えば、滑りにくいマットや転倒防止シールは床やお風呂場での転倒事故を減らし、安全な生活空間作りに役立ちます。また、**持ちやすいデザインの食器やカトラリー(スプーン・箸)**は手先の力が弱くなった方でも自分で食事をしやすく、音声操作できる家電(スマートスピーカー連携照明など)は声で照明やテレビを操作できるので足腰が不自由な方にも重宝します。軽量で移動の簡単なシルバーカーや歩行器も人気です。これらの補助具を取り入れることで、自立が難しい利用者でも簡単に身の回りのことができるようになり、日常生活の質を大きく向上させることができます。「自分でできることが増えて嬉しそう」「介護する側も付きっきりにならず助かる」といった声があり、ケア現場でも非常に重宝されています。
- コミュニケーションロボット – 心のケアや見守りを兼ねたハイテク家族とも言えるのが対話型の小型ロボットです。ユカイ工学社の 「BOCCO emo(ボッコ・エモ)」 はその代表例で、スマホが苦手な高齢者でも本体に話しかけるだけで家族とのメッセージのやりとりができる可愛いロボットです。家族から送られた音声メッセージを代わりに再生してくれたり、天気や予定を時間に合わせて教えてくれたりします。センサーで部屋の温度・照度も見守っており、異常があると自動で声かけ・通知する機能もあります。実証実験では旧モデルの「BOCCO」を使った簡単な音声メッセージ交流がシニア層にも受け入れられ、「親しみやすいインタラクションが高齢の利用者にも好評だった」と報告されています。進化したBOCCO emoは表情豊かなコミュニケーション能力で家族の一員のように利用者に寄り添う存在を目指しており、実際に「話し相手ができて孤独感が和らいだ」「離れて住む家族とのつながりを常に感じられて安心」といった声が聞かれます。高齢者のメンタル面の支えにもなる最新ガジェットとして注目されています。
まとめ
在宅介護を助けるグッズやアプリは、ここで紹介したもの以外にも日々進化・登場しています。価格帯もピンキリですが、公的補助が利用できるものも多く、賢く取り入れれば費用以上の価値をもたらしてくれるでしょう。大切なのは、ご本人の状態や介護者の負担に合わせて適切な道具を選ぶことです。便利アイテムを上手に活用することで、「できないことをサポートし、できることを増やす」ことが可能になります。それは結果的に介護される人の尊厳や快適さを守り、介護する人の心身の余裕にもつながります。ぜひ気になるグッズやアプリを試してみて、在宅介護に 「便利」と「安心」 を取り入れてみてください。毎日の介護が少しでも楽になり、ご家族皆さんが笑顔で過ごせる時間が増えることを願っています。


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